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2021年4月17日 (土)

美しい日本の私

今日は朝から雨、農作業はお休みです。本棚の本はほとんど全て図書館へ寄付しましたが、数冊残しておいた本の中から川端の「美しい日本の私」を取り出しました。この本は川端がノーベル賞を取ったときの本で、私もまだ20台でした。一時川端に夢中になり沢山の本を読みその耽美さを心に宿したものです。山奥で山ばかりに囲まれたこの山里でこんな雨の日を昔愛した本に浸るのもいいかと、一人こたつに入り読んでいます。主人公が70歳を過ぎ若い娘との色の話の短編など読むと自分もあの頃読んだ歳から今70となり川端の想いがわかります。それを経験することはほぼ無理なのだろうが、人の性、そしてそれを美しくも見られる年になった事。かと思えば授賞式の美しい日本の私、その心情の豊かさ、深さを感じることが出来る様になり、我が内にその日があり、そしてまた我が外にその美がありそれを感じその内にある、と言う幸せ、この感性も生まれて70年、神が沢山の試練を与えそれを通して養ってくれた私のものとなった富、「春は花夏ほととぎす秋は月 冬雪さえて冷しかりけり」何の飾りもなく自然のそのままを詠ったこの詩がそれ故に全てを永遠をあらわしてくる道元の、本来の面目、道元が至った内面と自然との一体感、永遠の瞬間、そして日本の美、そしてその中に居てその美と一体になっている私です。溺れることなく冴えた心でそのうちにいます。

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