老いを感じて!(2)
ある本にこんなことが書かれていました。人はこの世に外交官としてやって来る。つまり母国からこの国へ派遣されると言うわけです。外交官ですからやがて必ず母国へ戻らなくてはなりません。派遣されたこの国で外交官は、この国の言葉を習得し、この国の文化、歴史、食べ物、遊び、楽しみ等を学びながら母国のためにその任務を遂行します。この国の人々と交わり友好に努めながら、自分の家族の生活を築きます。ただ一つ、この国に浸り切ってはいけません。何故ならいずれ母国に戻らなければならないからです。この国での生活が楽しければ楽しいほど、この国に執着して母国へ戻る発令が来るのを恐れます。しかしどんなに恐れてもその発令は必ず来ます。この国での正しい過ごし方は、この国に浸り過ぎない様に、そして自分は外交官であること、いずれ母国に戻ることは確実であり、母国から外交官として、良くやったと言う評価を受けられる様に働き、そして次の発令を待つと言うことでしょうか。私も転勤族で、大体3〜4年で転勤を経験しました。転勤先で3〜4年の勤務期間が流れると、そろそろ自分も転勤かもしれないと思い、少しそわそわしたものです。しかし、私の勤めた会社の発令は必ず突然発令されるもので、その日までは全くいつ来るか分かりません。ただ多くの仲間の一般的な異動サイクルからそろそろだな、と勝手に思うものでした。その様に母国への帰還命令は、突然やって来るのでしょう!
こんな事を思い巡らしながら、確かに人は皆、外交官が異動で来る様にこの国に来るんだな、と思わせられました。ただ、外交官ですから、受けるのは「母国」での評価であって、この国での評価ではありません。この国で生活しながらもやがて来るその日に、母国の人事から「良くやった、良い僕だ。さあともに喜んでくれ」と言っていただける様な日々を送りたいと思いました。
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